A/Bテストとは、配信対象のユーザーに対して、複数のパターンのメッセージを出し分けることで、どのようなメッセージを配信すれば開封率やコンバージョン率が向上するのか検証ができる機能です。
A/Bテストの実施後、最も効果の高いメッセージを勝ちパターンとして指定でき、そのまま勝ちパターンのみの配信を継続することもできます。
この記事では、アプリ内メッセージを作成する際の、A/Bテストに関連した項目の設定について説明します。
メッセージを作成する
メッセージのパターンを2個以上作成することで、A/Bテストを行えます。
アプリ内メッセージの作成画面より、パターンの[追加]をクリックしてください。
[追加]をクリックすると、[パターン 1を複製]と[新規作成]が表示されます。希望の作成方法をクリックします。
次の画面で、追加をクリックし、配信パターンを追加します。
項目名 | 説明 |
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パターン 1を複製 | パターン 1と同様の内容を複製します。 |
新規作成 | 新たにメッセージ内容を作成します。 |
「パターン 2」が作成されます。
「パターン」の右横の[×]をクリックするとパターンが削除されます。
- メッセージは最大4パターンまで追加できます
- パターンの追加や削除はキャンペーンの新規作成時のみ行えます
配信対象者を各パターンに振り分ける
「アプリ内メッセージのメッセージを設定する:組込み(Native)」などでコントロールグループを設定した際と同様にパターンを2つ以上に設定した場合も、各パターンに配信対象者を振り分けられます。
コントロールグループを含む各パターンの合計が100%になるように設定します。
項目名 | 説明 |
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均等に振り分ける | コントロールグループと各パターンを均等に振り分けます。 |
均等に振り分ける(コントロールグループなし) | コントロールグループを0%に設定し、100%を各パターンで均等に振り分けます。 |
有意差判定のベースラインとなる対象を設定する | A/Bテストで各パターンを比較する際に基準となるパターンをベースラインとして選択します。 ベースラインを変更することで、様々なパターンと比較ができます。キャンペーン公開後も変更が可能です。 |
有意差判定のベースラインとなる指標を設定する | A/Bテストで各パターンをベースラインと比較する際に用いる指標を選択します。 指標にはコンバージョン率,ボタン1押下率,ボタン2押下率を選択できます。キャンペーン公開後も変更が可能です。 |
- コントロールグループは0%〜99%までの間で設定してください
- 各パターンは1%〜100%まで設定できます
- %の指定には、整数のみ登録できます
- 振り分け設定はキャンペーンの新規作成時のみ行えます
- インプレッションの規模により、設定した割合と実際のインプレッションが乖離することがあります
効果測定(A/Bテスト)
配信結果
アプリ内メッセージの配信からしばらくすると、「配信結果」画面にアプリ内メッセージのインプレッション、各ボタンの押下数、コンバージョン率がパターンごとに表示されます。
項目名 | 説明 |
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パターン | パターン名を表示します。 |
オーディエンス | 各パターンの比率を%で表示します。 |
インプレッション | アプリ内メッセージが表示された数です。 |
ボタン1押下数,ボタン2押下数 | ボタンがタップされた数です。 その下には%表記にてボタン押下率を表示します。 画像のみのダイアログの場合は画像がタップされた数、バナーの場合はバナー部分がタップされた数が表示されます。 ボタンを設定しない場合は - が表示されます。 |
コンバージョン数 | 配信から24時間以内に、作成画面で指定したゴールを達成したユーザーの数を日次で集計し、合計した数です。 |
コンバージョン率 | 各パターンのコンバージョン率を表示します。 コンバージョン数 / 配信数 です。 |
- コントロールグループの各データは、キャンペーン自体の効果を判断しやすくするため、キャンペーン全体のインプレッション、コンバージョン数、コンバージョン率には反映されません
- コントロールグループに属するユーザーにはアプリ内メッセージは配信されないため、インプレッションには想定されるインプレッション数を表示します
このときボタン1押下数、ボタン2押下数は常に - で表示します - コントロールグループのコンバージョン数は、コントロールグループに属するユーザーがキャンペーンに設定したゴールのイベントを発生させた数を表示します
- コントロールグループのコンバージョン率は、コンバージョン数をコントロールグループに属するユーザー数で割って算出します
A/Bテスト有意差 測定結果
A/Bテストの実行中にはA/Bテストの実行結果が表示されます。
コントロールグループを含む各パターンをベースラインに選択したり、コントロールグループを含む各パターンを選択した指標 (コンバージョン率,ボタン1押下率,ボタン2押下率) を用いて比較を行えます。
項目名 | 説明 |
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パターン | コントロールグループを含む、A/Bテストで送信を行う各パターンを表示します。 |
コンバージョン率 | コンバージョン率を表示します。 |
90%信頼区間 | 各パターンをベースラインと比較した場合の 90% 信頼区間が表示されます。 90% 信頼区間の意味については「開発ドキュメント > 信頼区間とはなんですか?」を参照してください。 |
ベースラインを変更する | A/Bテストで各パターンを比較する際に基準となるパターンをベースラインとして選択します。ベースラインを変更することで、様々なパターンと比較ができます。 |
対象となる指標を変更する | A/Bテストで各パターンをベースラインと比較する際に用いる指標を選択します。指標には割合を表す値 (コンバージョン率, ボタン押下率) が選択できます。 |
参考:90%信頼区間の代表的なパターン読み取り例
ここでは、90%信頼区間の代表的なパターンの読み取り方について示します。
有意差がある場合
このような表示の場合、パターンとベースラインの差が有意であることを意味します。
配信を開始してから十分な期間が経過している場合、勝ちパターンの決定へと進むことを推奨します。
まだ有意差がない場合
このような表示の場合、パターンとベースラインの差が有意ではないことを意味します。
結果が出るまでもう少し待つか、配信を開始してから十分な期間が経過している場合、差がないものとして次のキャンペーンの開始を検討することを推奨します。
有意差があり、勝ちパターンが決定している場合
このような表示の場合、パターンとベースラインの差が有意であることを意味します。
このような表示しかない場合、ベースラインとして設定しているパターンを勝ちパターンして決定することを推奨します。
A/Bテスト有意差 測定結果は勝ちパターンを選択すると下記のような表示になり、各パターンの比較結果が表示されなくなります。
アプリ内メッセージの配信対象者を各パターンに振り分けるの[有意差判定のベースラインとなる指標を設定する]にてボタンが存在しないメッセージに対し、ボタン1押下率を設定すると、指標の値が存在しない状態になります。
この場合は下記のような表示となり、有意差の計算が不可能であることを意味します。
指標にコンバージョン率を設定するなど、測定可能な指標に変更してください。
勝ちパターンを選ぶ
勝ちパターンを選ぶと、以降の配信ではそのパターンがすべてのユーザーに配信されるようになります。
リテンションレートの向上を目的として作成したアプリ内メッセージであればボタン押下率の高いパターンを、KPIの向上目的としているならば、コンバージョン率の高いパターンを選択するとよいでしょう。
結果の推移
A/Bテストの結果の推移をグラフにて表示します。
インプレッション・ボタン1押下数・ボタン2押下数・コンバージョン率をパターンごとに表示できます。
キャンペーン全体を確認することもできます。
一覧画面
A/Bテストを実行しているキャンペーンが公開または非公開の場合に、アプリ内メッセージ一覧画面で各キャンペーンのA/Bテストの状態を確認できます。
アイコン | 説明 |
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有意差があり、ベースラインを上回る結果のパターンが1つ以上存在する場合 | |
有意差があり、ベースラインを下回る結果のパターンのみが存在する場合 | |
有意差がないパターンのみが存在する場合 | |
全てのパターンで計算ができない場合 | |
勝ちパターンを選択済みの場合 | |
A/Bテストを実行していて、ベースラインとなるパターンか対象となる指標が設定されていない場合 | |
ー | キャンペーンがA/Bテストを実行していない場合 |
- 有意差があり、ベースラインを上回る結果と下回る結果のキャンペーンが両方ともに存在すると、ベースラインを上回る結果のパターンが1つ以上存在する場合のアイコンを表示します
- A/Bテスト 有意差表示については FAQ もあわせて確認してください
A/Bテストを利用して、より効果の高い施策を配信していきましょう。