フィルターに設定するセグメントの条件は、キャンペーンの配信対象設定や、事前に配信対象を保存できるオーディエンスの設定時に配信対象を決定するために利用します。
施策配信をしていく上で意図したユーザー群を配信対象に設定することはとても重要なので、この記事でフィルターとセグメントの条件の使い方を理解しましょう。
フィルターの定義
フィルターの条件に指定できる項目は、マーケティング機能(プッシュ通知やアプリ内メッセージなど)により異なります。
まずはフィルターの条件を説明します。
フィルター
フィルターの条件に指定できる項目を説明します。
項目名 | 説明 |
---|---|
オーディエンス |
オーディエンスとして作成済みのセグメンテーションを利用します。 ※オーディエンスの設定時は指定できません。 |
イベント |
イベントを実行したユーザーをセグメントします。 実行した期間や回数を指定できます。 |
イベントプロパティ |
イベントを実行したユーザーのうち、実行されたイベントに付帯するプロパティにもとづいてユーザーをセグメントします。 プロパティの名前や値、実行した期間を指定できます。 |
ユーザープロフィール | ユーザープロフィールの情報にもとづいてユーザーをセグメントします。 |
初回ユーザー | アプリを初めて起動したユーザーを対象にメッセージを配信します。 インストールから7日以内の起動を行ったユーザーのセッションが対象になります。 ※プッシュ通知やWebプッシュ通知など指定できない機能があります。 |
既存ユーザー | Reproに登録されているユーザーを対象にメッセージを配信します。 既存ユーザーから特定条件を満たすユーザーを除外する場合は、 And not でフィルターを追加してください。 |
全ユーザー | Reproへの登録の有無に関わらず、すべてのユーザーを対象にメッセージを配信します。 ※プッシュ通知やWebプッシュ通知など指定できない機能があります。 |
- 初回ユーザー、全ユーザーを利用する場合、その他の条件を組み合わせて使うことができません
- アプリをインストールしてから1週間以上経って初めてアプリを起動した場合は初回ユーザーとして判定されません
オーディエンス
アイコン | 種類 | 説明 |
---|---|---|
フィルター | 事前に保存しておいたセグメントの条件を利用します。 | |
インポート | 事前にユーザーIDを利用してインポート済みのセグメンテーションを利用します。 | |
ID指定 | 事前にテストに利用するユーザーや端末を指定しておき利用します。 |
セレクトボックスにて[オーディエンス]をクリックすると、現在作成されているオーディエンスが表示されます。その中から設定したいオーディエンスを選択します。
- フィルターオーディエンス:他のフィルタリングの条件と組み合わせることはできません
-
インポートオーディエンス・ID指定オーディエンス:他のフィルタリング条件と組み合わせることができます
詳しくは「オーディエンスと他のフィルターの追加」にて説明します
イベント
項目名 | 説明 |
---|---|
イベント | セレクトボックスに表示されるイベントから設定したいイベントを選択します。 |
期間 | イベントを実行した期間を指定します。 指定可能な期間は最小 0 日から最大30 日です。 |
回数 | イベントの回数を指定します。 最小 1 回から最大5 回まで指定できます。 |
条件 | イベントの回数の条件を指定します。指定できる条件は3種類です。 - 回以上 - 回以下 - 回 |
イベントプロパティ
項目名 | 説明 |
---|---|
イベントプロパティ | セレクトボックスに表示されるイベントプロパティから設定したいイベントプロパティを選択します。 |
値 | イベントプロパティの値を入力します。 |
条件 | 指定できる条件は6種類です。 - と一致する - と一致しない - のいずれか - 以上(数値) イベントプロパティの値が数値の場合のみ利用できます - 以下(数値) イベントプロパティの値が数値の場合のみ利用できます - を含む(文字列) イベントプロパティの値が文字列の場合のみ利用できます |
期間 | 指定したイベントプロパティのイベントを実行した期間を指定します。 指定可能な期間は最小 0 日から最大30 日です。 |
イベントプロパティのフィルターではイベントの実行回数を指定することはできません。
指定された期間に1度でもフィルターの条件に合致するイベントを実行したユーザーが配信対象となります。
イベントやイベントプロパティを条件に指定する場合の考え方
イベントやイベントプロパティのフィルターの条件では、「アプリ起動を2日以内に1回以上実行した」のようにイベントを実行した期間を指定します。
この期間は配信日当日が基準です。
配信対象が「アプリ起動を2日以内に1回以上実行した」のキャンペーンを例に説明します。
キャンペーンの設定内容
- 配信対象:アプリ起動を2日以内に1回以上実行した
- 配信期間:3月25日 08:00 〜 4月5日 17:00
- 配信トリガー:【画面】ホーム の実行時
ユーザーの行動
- 4月3日 13:00に【画面】ホーム を実行
この場合、ユーザーが4月1日 0:00から4月3日 13:00までにアプリ起動を1回以上実行していると、2日以内と判定され、配信対象に入りメッセージが表示されます。
ユーザープロフィール
項目名 | 説明 |
---|---|
ユーザープロフィール | セレクトボックスに表示されるユーザープロフィールから設定したいユーザープロフィールを選択します。 |
値 | ユーザープロフィールの値を入力します。 |
条件 | ユーザープロフィールの型によって選択できる条件を指定します。 例えばプロフィールの型に整数や日付を指定している場合、「以上、以下、より大きい、より小さい」のなかから条件を指定します。 |
ユーザープロフィールの型に合わせた条件の指定方法
ユーザープロフィールは値の型によって指定できる項目が異なります。
項目名 | 説明 |
---|---|
文字列 | 6種類から条件を指定できます。 - と一致する - と一致しない - から始まる - のいずれかである - 登録されている - を含む |
整数・小数 | 8種類から条件を指定できます。 - と一致する - と一致しない - より大きい - 以上 - より小さい - 以下 - のいずれかである - 登録されている |
日付 | 10種類から条件を指定できます。 - 以前 - 以降 - 日前 - 当日 - 日後 - 登録されている - ◯日前 以前 - ◯日前〜▢日前 - ◯日後 以降 - ◯日後〜▢日後 |
ここまで説明したフィルターを組み合わせて、実現したい施策にあわせて配信対象を作成します。
フィルターの追加
フィルターを追加し、セグメントの条件をかけ合わせる方法を説明します。
フィルターをかけ合わせるときに指定済みのフィルターに対し、AND・AND NOT・ORで条件を追加します。
項目名 | 説明 |
---|---|
+OR | ORのフィルターを追加します。 |
+フィルターを追加 | And・And notのフィルターを追加します。 |
各フィルターは最大5個まで組み合わせることができます。
And・And not・ORの定義を説明します。
項目名 | 説明 |
---|---|
And | 指定した条件を全て満たすユーザーが対象になります。 |
And not | 指定した条件にあてはまるユーザーが対象から除外されます。 |
OR | 指定した複数の条件のどれかにあてはまるユーザーが対象になります。 |
ORは、複数の条件のうちどれか1つが合致すればよいという指定方法です。
そのため、ORを使用した複数の条件群に対し And もしくは And not を利用するとそれぞれ下記のように認識されます。
-
イベントAを実行 OR イベントBを実行
And イベントCを実行- イベントA もしくは イベントBの実行があり、かつ、イベントCを実行したという条件
- イベントAを実行 And not
イベントBを実行 OR イベントCを実行
- イベントA を実行があり、イベントB または イベントC の実行がないという条件
設定順序を問わず、必ず先にOR条件が判定されます。
オーディエンスと他のフィルターの追加
キャンペーンの配信対象設定では、インポートオーディエンスとID指定オーディエンスを他のフィルターの条件と組み合わせることができます。
例えば、インポートオーディエンスにイベントやユーザープロフィールのフィルターを組み合わせると、データベースからインポートしたユーザー群にユーザーの行動や属性をかけあわせることで、より具体的なセグメンテーションに一致したユーザーを配信対象に設定できます。
オーディエンスを作成すると、キャンペーン作成画面のフィルターに設定可能なオーディエンスとしてプルダウンで表示されます。
配信対象に設定したいオーディエンスを選択します。
フィルターを追加し、セグメントの条件を組み合わせます。
下図のケースでは、店舗購入をしたユーザーのインポートオーディエンスに「会員ステータスがゴールド」のフィルターを組み合わせるので、店舗購入経験のある優良会員を配信対象にできます。
- 配信対象に設定したインポートオーディエンスは配信対象を更新した場合、更新後の情報が自動で配信対象になります
- 更新がまだ完了していない場合は、更新前の情報が配信対象になります
フィルターの設定例
ユースケースにあわせて、実際にどのようにユーザーがセグメントされるのか説明します。
ユーザーA〜Gにトラッキングされたイベントやユーザープロフィールをもとに、フィルターに設定したセグメント条件を満たしたユーザー群が下記のように存在するとします。
ユーザー | 説明 |
---|---|
A, B, C, D | 会員ステータスが無料 |
C, D, E, F | 商品ページを7日以内に閲覧 |
B, C, E, G | 商品を7日以内に購入 |
Andを利用する
例:無料会員で商品ページを閲覧したユーザー
「会員ステータスが無料」と「商品ページを7日以内に閲覧」のどちらの条件も満たすユーザー群を指定するので、ユーザーCとDが配信対象となります。
And notを利用する
例:無料会員で商品ページを閲覧したが、購入は実行していないユーザー
「会員ステータスが無料」と「商品ページを7日以内に閲覧」のどちらの条件も満たすユーザー群から「商品を7日以内に購入」のユーザー群を除外するので、ユーザーDが配信対象になります。
ORを利用する
例:無料会員もしくは商品ページを閲覧したユーザー
「会員ステータスが無料」と「商品ページを7日以内に閲覧」のどれかの条件を満たすユーザー群を指定するので、ユーザーA、B、C、D、E、Fが配信対象となります。
フィルターの条件とAnd・And not・ORの組み合わせを使いこなして、目的に合致したユーザー群へ施策を配信しましょう。