ファネル分析
ファネル分析は、どこで多くのユーザーが離脱しているのか一目で確認できる機能です。
アプリ・Webサイトの開発時に想定したユーザーの操作と、実際の操作を照らし合わせ問題のあるステップを洗い出しましょう。
この記事では、ファネル分析を利用した活用例を5つ案内します。
ユースケース
1.ファネルの離脱ポイントの特定
目的
各ステップごとで離脱したユーザー数を知り、多くのユーザーが離脱するポイントを見つけます。
ユースケース
ECサービスでコンバージョンとなる「購入完了」イベントに到達するまでの課題を発見するため、下記のようにイベントを設定し、ファネル分析を作成します。
- アプリ起動
- 商品詳細
- カート追加
- 購入開始
- 個人情報入力
- 購入完了
得られるインサイト
購入開始画面に進んだが、個人情報入力画面で離脱したユーザーが多いことがファネル分析によって確認できた場合、個人情報入力画面に課題があるのではないかという仮説が立てられます。
具体的には、下記のような原因があるでしょう。
- クレジットカードの番号など、情報の入力が面倒で離脱する
- 入力フォームが多く、入力に時間がかかるため離脱する
その仮説を解消するための施策を検討し、PDCAサイクルを回してコンバージョン率の改善を図ることが重要です。
ファネル分析を新しく作成する方法は、「ファネル分析を作成・削除する」を確認してください。
2.ファネルの突破傾向の確認
目的
区間ごとの遷移数を曜日ごとや、月内の週ごとといった期間で比較し、ユーザーのファネル突破傾向を捉えます。
ユースケース
アカウント登録率がKPIのサービスで、「アカウント登録」イベントに到達するまでの課題を発見するために、下記のようにイベントを設定し、ファネル分析を作成します。
- アプリ起動
- チュートリアル
- 個人情報の入力
- 個人情報の入力内容確認
- アカウント登録
得られるインサイト
アカウント登録の実行率が土日に高くなっている傾向があれば、土日の時間があるときにアカウント登録を実施するユーザーが多いのではないかという仮説が立てられます。
この仮説をもとに、アカウント登録を完了していないユーザーに向けて土日にプッシュ通知を配信し、アカウント登録の実行率が改善するかをウォッチしながら、検証に進みます。
ファネル分析の期間を変更する方法は、「ファネル分析の条件を設定する」を確認してください。
3.ユーザーを切り分けたファネルの確認
ユーザープロフィールの場合
目的
男性、女性やサービスの有料会員・無料会員など、ユーザープロフィールで取得しているデータをもとに、ユーザーの属性ごとでファネル突破率を比較します。
ユースケース
マッチングアプリにおいて男性ユーザーに比べ、女性ユーザーのいいね送信率が低いという課題があったとします。
いいねを送信するまでの導線をファネル分析で作成し、男性と女性それぞれで確認することで、女性ユーザーが男性ユーザーと比べてどこで多く離脱しているかを確認できます。
得られるインサイト
女性ユーザーが下記のようなファネルで、「プロフィールを確認」イベントで多く離脱している場合、プロフィールの内容を書いていない男性ユーザーが多く、いいねを送信していいか判断できないのではないかという仮説を立てられます。
- アプリ起動
- ユーザー一覧
- プロフィールを確認
- いいね送信
この仮説をもとに、男性ユーザー向けにプロフィールの記載を促進するアプリ内メッセージを配信し、女性ユーザーのいいね送信率が改善するかをウォッチすることで検証します。
新規ユーザー・全ユーザーの場合
新規ユーザーと全ユーザーで切り替えて比較し、アプリを使い始めて間もないユーザーがアプリ内のどのステップでつまづきやすいのか仮説を立てましょう。
ファネル分析でユーザープロフィール・ユーザー種別を指定する方法は、「ファネル分析の条件を設定する」を確認してください。
4.期間別でのファネルの確認
目的
ファネルの突破率を 日、週、月それぞれで確認し、ユーザーがファネルを突破するまでにどれくらいの時間がかかるのかを把握します。
得られるインサイト
日次で見ると商品一覧に辿り着くユーザーは8%未満ですが、月次で見ると30%以上の場合があるなど、期間別に分析すると傾向を確認できます。
また、日、週、月別で確認しても突破率がほとんど同じであるならば、初日にコンバージョンしなければ、時間が経ってもコンバージョンする見込みは薄いと分かります。
それぞれの期間で見るべき指標の例を挙げます。
期間 | 見るべき指標の例 | 理由 |
---|---|---|
日次 | サービスの新規会員登録のファネル | 会員登録はサービスを利用し始めたその日に完了してほしいため |
週次 | 毎週更新されるマンガサービスのコンテンツ読了までのファネル | 週ごとに更新されるマンガが読まれているかどうかは、週次のファネルで確認すべき指標のため |
月次 | 不動産の問い合わせ | 不動産は検討する期間が長いため、長い期間で母数を大きくして確認すべき指標のため |
サービス特性にあわせた指標で確認しましょう。担当のカスタマーサクセスも相談に乗ります。
5.コンバージョンを達成しやすいファネルの特定
目的
1つのコンバージョンイベントに対し複数の導線が存在する場合、それぞれファネル分析を作成して、ユーザーがどの導線からコンバージョンに到達しやすいかを特定します。
ユースケース
ECサービスにおいて次のような3つのファネル分析を作成します。
- お気に入り → 購入
- 検索 → 購入
- おすすめ商品一覧 → 購入
この3つを比較し、もっとも離脱率が低いファネルを特定します。
得られるインサイト
離脱率のもっとも低いファネルが、ユーザーにとって最も障壁が少なくコンバージョンに到達できる導線であるとわかるので、その導線に誘導するような施策を検討しましょう。
もしお気に入り → 購入のファネルがもっとも離脱率が低いと分かったら、ユーザーにお気に入り機能を認知させ、利用を促進するアプリ内メッセージを配信します。
ファネル分析にどのようなイベントを設定すればいいか悩んだときは、担当のカスタマーサクセスにご相談ください。