プッシュ通知の配信結果に表示されている「配信数」の定義について解説します。
前提:プッシュ通知の仕組み
プッシュ通知は、ReproSDKを導入したモバイルアプリケーションから収集したプッシュトークンを用い、Reproサーバーがプッシュ通知配信サービス(APNs/FCM)に依頼し、配信します。
配信数の定義
配信対象ユーザーのうち、Reproサーバーがプッシュ通知の配信をAPNs / FCMへ依頼できたユーザーの数です。
また、依頼できたユーザーのうち、プッシュ通知許諾がONの場合のみ、配信数として計上します。
配信デバイスの数ではなく、配信ユーザーの数を計上します。
そのため、ユーザーが複数の端末を持っていた場合、プッシュ通知はすべての端末へ配信を試みますが、配信数はユーザー単位の集計となり、配信数は1となります。
配信可能な端末の定義
以下の3つすべての条件を満たしている端末だけ、プッシュ通知が配信できます。
- ReproSDKが導入されたアプリバージョン以降を利用している
- アプリとReproSDKの実装によりプッシュトークンが取得できている
- 直近の配信でAPNs/FCMから無効なプッシュトークンと判定されていない
配信対象ユーザー数と配信数の乖離
配信対象ユーザーであっても、以下の2つの条件に合致すると、プッシュ通知は配信できません。
-
APNsやFCM側が配信不可能と判定したトークンが登録されている
(アプリのアンインストールなどに起因) - Reproにプッシュトークンが登録されていない
以上の内容を踏まえると、配信結果に表示される配信数と、配信対象設定の対象ユーザー数とでは定義が異なるため数値は一致しません。
詳しくは「プッシュ通知の配信数が配信対象設定の対象ユーザー数より少ないのはなぜですか?」をご参考ください。
留意点
配信数の数値を閲覧するとき、参考すべき事項を記載します。
OS共通:OS設定画面で許諾をON/OFF変更し、アプリ未復帰
Reproへ最後にアップロードされた許諾情報を参照し、配信数を計上します。
OS設定で許諾を変更したものの、アプリを起動し直していない場合、新たにプッシュトークンが収集できず配信できないことや、実際は配信されているが配信数の集計が行われないことがあります。
OS共通:長期間利用しないユーザーの削除
プッシュ通知が配信できない、かつ、最後のアプリ利用が24ヶ月以上前のユーザーは、削除される可能性があります。削除されたユーザーはプッシュ通知を配信できません。
お知らせ | 2024年2月より活用に適さないユーザー情報が定期的に削除されます
iOS:集中モードの利用
集中モードを利用すると、ユーザーは届いたプッシュ通知を即時で閲覧できませんが、配信自体は行われているため、配信数には計上されています。
iOS:「非使用のAppを取り除く」の利用
ユーザーが「非使用のAppを取り除く」をONで利用している場合、アプリを利用しなくなり、雲のマークが表示されている状態になると、プッシュ通知は一定期間後に配信できなくなります。
定期的にアプリを起動しているユーザーのみが配信可能です。
Android:オプトイン形式への変更
Android13より、ユーザーへプッシュ通知の許諾を取るオプトイン形式に変更されました。
許諾を取るには、端末に表示される許諾ダイアログ、またはアプリ毎の通知設定から、エンドユーザーが通知許可をONにする必要があります。
プッシュ通知許諾がONになることで、プッシュ通知の配信数に計上されます。
通知許諾ダイアログを表示させるためには、アプリ側での実装が必要です。
SDKの導入のみではダイアログ表示が行われないため、プッシュ通知(Android)を参照し、開発担当エンジニアと確認してください。
Android:270日でトークンが無効となる
2024年5月頃にFCMで配信ロジックの変更がリリースされました。
リリースに伴い、アプリが起動されずに270日間利用されていないAndroid端末のトークンは無効と判定されるようになったため、プッシュ通知は配信できません。
参考:FCM - 古い登録トークンと有効期限切れの登録トークン